伝統と現代が交差する、1983Asiaによるブランディングデザイン

「Yau Sik San」:広東料理の魅力を伝える新たな試み

中国の古代神話に登場する「料理の神」をモチーフに、現代の「料理の神」とも称されるツァイ・ラン氏を食品監修に迎えた、1983Asiaのブランディングデザインプロジェクト「Yau Sik San」。広東料理の本質をダイナミックに伝える挑戦として、伝統と現代が交差する独自のビジュアルを生み出しました。

「Yau Sik San」は、広東料理のエッセンスを食事をする全ての人々に届けるという大きな野心を元に生まれたプロジェクトです。1983Asiaは、古代中国の神々の中から「料理の神」を取り上げ、衣食住と幸運、長寿を象徴するキャラクターを開発しました。また、中国の書道を用いて「Yau Sik San」をデザインし、地域性を表現しています。このプロジェクトの最もユニークな点は、キャラクターが広東地方の文化に基づいていることです。

1983Asiaは、神話の中から「料理の神」のイメージを抽象化し、中国の書道と組み合わせました。中国の食文化とビジュアルイメージを組み合わせることで、人々に強い印象を与え、良い味のスローガンを意味深い物語に変えました。このプロジェクトは、AIやPSなどのソフトウェアを通じてデザインされ、特殊紙を用いて印刷され、アイデアを表現しました。

「Yau Sik San」のパッケージデザインは、食品、伝統文化、アジアンデザインというキーワードを元に、特殊紙印刷、UV、刺繍、反応性印刷、ホットスタンプなどの技術を駆使しています。このプロジェクトは、宗教的な洞察を通じて人々に感銘を与える新たな視点を提供します。アジアでは多神教が広く信じられており、料理の神のイメージと伝統的な色彩の組み合わせが、人々に情報を伝えます。

「Yau Sik San」のプロジェクトは、食品ブランドについて考える際、多くの人々が味覚や素材の品質から人々を引きつけることを試みます。しかし、ツァイ・ラン氏が「Yau Sik San」の食品監修を務めることで、新たな視点から人々にアイデアを伝えることが可能になりました。料理の神と広東料理のプロフェッショナル料理人を結びつけ、互いに補完し合うことで、人々はこのブランドを信頼することができます。

「Yau Sik San」のプロジェクトは、料理の神という虚構のキャラクターを人々に理解してもらうためのビジュアルイメージをデザインするという課題に直面していました。しかし、1983Asiaはこの課題を見事にクリアし、広東料理の本質を伝えるための新たな試みとして、「Yau Sik San」を生み出しました。

このプロジェクトは、2020年のA' Graphics, Illustration and Visual Communication Design Awardで鉄賞を受賞しました。鉄賞は、業界のベストプラクティスと優れた技術特性を統合し、満足感とポジティブな感情を提供し、より良い世界に貢献する、よくデザインされた、実用的で革新的な創造物に授与されます。


プロジェクトの詳細とクレジット

プロジェクトデザイナー: 1983ASIA
画像クレジット: 1983ASIA
プロジェクトチームのメンバー: Susu Yao Fang Yu Qing Jemay Ho Zhou Xiao Jie He Jing Li Hong Yu
プロジェクト名: Yau Sik San
プロジェクトのクライアント: 1983ASIA


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